神戸市垂水区 内科・小児科・消化器科 洪南クリニック

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がんの話>胃がんについて(その1)

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今回は胃がんのはなし。
ご存知のように日本人のがんの中では胃がんによる死亡数が最も多く、年間約5万人近くの方がこのがんで亡くなっています。しかし、最近死亡率は徐々に低下してきており、ピーク時(1965年頃)の60%までに低下しています。

胃がんの減少してきた理由は明白のように思われます。胃がんの診断学、つまり胃透視検査や胃内視鏡(胃カメラ)検査は日本で開発され、その時期は1960年代前半です。これらの技術はまたたく間に全国に広がりました。(これは日本独自の自由開業医制度と関連があります。)また、これらの技術を生かして胃がん検診が始まったのが1965年頃です。さらに他の先進諸国とちがって、これらの検査を近くの開業医や病院で気軽に受けられるという点もあるでしょう。

診断学だけでなく、外科療法を中心とした治療の進歩も見逃せません。胃がんの手術法は体系化され、大学病院でも市中の民間病院でもほとんど同じ方法で手術が行われています。(技術の均質化は日本社会の著しい特徴の1つでしょう。)

しかし、医学の進歩だけで胃がん死亡数が減少したわけではないのです。たとえばハワイの日系人の胃がんも減少しています。またあまり知られていないのですが、米国人の胃がんも1940年頃はがん死亡のトップだったのが、現在は10位とマイナーながんになっています。


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