神戸市垂水区 内科・小児科・消化器科 洪南クリニック

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がんの話>胃がんについて(その2)

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近年日本で胃がん死亡率が減少してきた原因は、次の3点に要約されるでしょう。
(1)診断学、治療学の進歩
(2)胃がん検診の普及
(3)食生活の変化

それでは、どれが1番大きな役割を果たしているのでしょうか。

前回述べたように、米国でも胃がん死亡率の減少が観察され、またハワイの日系人は日本以上に急激な減少がみられます。胃がん診断学の分野では、日本がトップレベルであり、米国では胃がん検診も行われていません。つまり、米国での胃がん死亡率減少の主要因は、食生活の変化により胃がんの発生(罹患率)が減りその結果胃がんで死ぬ人(死亡率)も減った、ということなのです。

米国では1940年頃から胃がんの死亡率が減ってきていますが、これはコールドチェーン網の発達と関連しています。すなわち食品を冷凍して新鮮なまま生産地から消費者へ届けるシステムの発達です。
各家庭にも冷蔵庫が普及し、塩蔵の肉や野菜に替わって新鮮な食品を摂取できるようになったのです。

この結果、塩分摂取が減りビタミン摂取が増え、これはプラスマイナス大きな変化といえます。

日本でも胃がん死亡の減少は、食生活の変化による罹患率の低下が主要因と考えられます。極論すれば、胃がん死亡率は生活レベルが上がれば(医学が介入しなくても)自然に減少する、ということができます。
ここでもがんの発生と環境要因との深い関連が示唆されます。


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