神戸市垂水区 内科・小児科・消化器科 洪南クリニック

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がんの話>胃がんについて(その3)

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日本における近年の胃がんの死亡率の減少は、食生活の変化(西欧化)が主要因であると述べてきました。事実、癌登録のデータをみても胃がんの死亡率の減少速度は罹患率それとほぼ平行しています。それは医学の進歩はまったく貢献していないのでしょうか。

大阪府立成人病センターでは以前、大阪府の能勢町というところをモデル地区にして町・保健所と三者協力して、胃がん検診を積極的に進めてきました。能勢町は大阪府の中でも最も胃がん死亡率の高い地域のひとつです。胃がん検診に熱心に取り組んできた結果、高い受診率が得られ40歳以上の住民の約70%の人が一度は胃がん検診を受けています。

この結果、この地域の胃がん死亡率は急激に減少し、検診を始めて10年後には大阪府の中でも最も胃がん死亡率の低い地域になりました。

もう少し具体的にいうと、検診による胃がん死亡率減少の寄与度約が30%となり、また一度も検診を受けたことのない人に比べ、半分に減少していました。

全国的にみれば胃がん検診を受ける人はまだまだ少なく(40歳以上人口の約20%位)このため検診による早期発見、早期治療の効果が胃がん死亡率に影響を及ぼしにくいと考えられています。

胃がん死亡率は、より多くの人が(無症状の時に)がん検診を受けることにより、その減少のスピードがさらに早まるでしょう。


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