神戸市垂水区 内科・小児科・消化器科 洪南クリニック

役に立つ医学コーナー

がんの話>肝臓がんについて(その1)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

日本の肝がん死亡者数は年間2万4千191人(1992年)にのぼり、胃がん、肺がんに次いで3番目に多いがんです。世界的にみると、日本、韓国、中国、香港、タイなどの東アジアやザンビアなどのアフリカ諸国に多くなっています。日本国内では、兵庫、大阪、広島、福岡、佐賀の西南地域に肝がん死亡率が高く、胃がんが東日本、東北地方に多いのと好対照を示しています。

肝がんの原因として
1、B型肝炎ウイルス
2、C型肝炎ウイルス
3、アルコール
4、その他

が考えられています。

このうちB型肝炎ウイルスは今から約30年前にオーストラリアの研究者によって発見されました。B型肝炎ウイルスの感染経路は2通りあります。体内にB型肝炎ウイルスを持った母親から、妊娠時に児へ感染するもの(垂直感染)と大人になってから性的接触、輸血などによって感染するもの(水平感染)です。医療従事者がB型肝炎の患者さんから感染する場合も水平感染と言います。

水平感染の場合は稀に劇症肝炎という致命率の高い肝炎を起こすことがありますが、普通はウイルスに感染しても、体内に抗体が作られるためウイルスは排除されます。

ところが母児感染の場合は、乳児の免疫系がまだ成熟していないためウイルスが排除されず、大人になってもウイルスが生き続けています。この状態をB型肝炎ウイルスのキャリア(保有者)といい、実はキャリアの人が将来、慢性肝炎、肝硬変を経て肝がんになりやすいことがわかってきたのです。


Copyright (c)kohnann-clinic.com. All rights reserved.