神戸市垂水区 内科・小児科・消化器科 洪南クリニック

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肺がん検診>肺がん検診の有効性の評価(1)

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肺がん検診は1987年より老人保険事業に組み込まれた。これについては、厚生省の予算確保の戦略といった見方も否定はできない。しかし、もっと重要なことは肺がん検診の効果がほとんど認められないのに、税金を使う公的事業に組み込まれたことである。

(1)米国の結果

すでに米国などで喫煙者を対象とした肺がん検診のRCTが実施されているが、いずれも否定的な結果に終わっている。米国の3つのRCTのうち2つ(メモリアル・スロンケタリングがんセンターとジョンス・ホブキンス大学)は、検診群に対して年1回の胸部X線検査と年3回の喀痰細胞診検査を行ない、対照群には年1回の胸部X線検査のみを実施した。つまり、当時、肺がんの早期診断に有効と考えられた喀痰細胞診の効果をみるために行なった試験である。しかし、両施設の成績はどちらも検診群と対照群の間で死亡率に差がみられなかった。すなわち、喀痰細胞診検査による肺がん検診では肺がん死亡を滅らせることはできなかった、ということである。


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