神戸市垂水区 内科・小児科・消化器科 洪南クリニック

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肺がん検診>肺がん検診の有効性の評価(5)

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この結果、検診受診歴のある者の受信歴のない者に対するオッズ比は0.72であった。オッズ比0.72というのは、検診を受けた場合、受けなかった場合と比べ肺がんで死ぬ確率が72%となる(28%の肺がん死亡減少効果が期待できる)ということであるが、胃がん検診の0.519(男)、0.486(女)に比べかなり小さく、また有意差も認められていない(95%信頼区間0.50~1.03)。オッズ比1では差がない(死亡減少効果がない)ということであるが、95%信頼区間に1が入っているため有意な差がないということである。
仮にこの結果から「肺がん検診には少しの効果があるかもしれない」と結論したとしても、それはそのまま肺がん検診の導入には結びつかない。少なくともバイアス(特にセレクション・バイアス)をできるだけ除くようなデザインの別の症例対照研究で、より大きな死亡減少効果を示す必要があると考える。

そのほか、検診発見肺がん症例と外来発見肺がん症例との生存率の比較研究や相関研究(検診高率実施地区と低率地区で肺がん死亡率の変化を見る)があるが、いずれも胃がん検診や子宮がん検診の同様のデータに比べ、肺がん検診の寄与度は明らかに小さい。また、これらのデータは前述したようないくつかの偏りが入っていることも考慮しなければならない 。


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